●滑走面(ソール)を削る
滑走面(もちろんエッジを含んで)の形状が滑りに与える影響は大変大きいものです。酸化していたりケバ立っている滑走面は滑走性やワックスの効果に悪影響を及ぼします。定期的なチューンナップで滑走面を削り、新しい滑走面を作り出していくことが重要です。

● まずはじめに、皆さんがお使いの板は本当にフラットですか?
滑走面がフラットになっているか、是非一度ご自分で確認してみて下さい。確認の仕方は板の滑走面が上になるように作業台などに置き、フラットゲージ(なければ直線の定規)などで反対から入ってくる光を見て下さい。トップからテールまで順に確認していきます。自分が確認するところは暗いところ、反対側は明るいところだと分かり易いはずです。トップからテールまで光が入らない(平らな)状態になっていますか?
フラットチェックはご自分でできることですから定期的に行いましょう。チューンナップに出す前、戻ってきてから、滑走後、など。
一度フラットにしてしまえば、板の形状が変わることなどないと思っている方がいますが、滑走面は常に変化しています。特にカービングスキーはこまめなチェックが必要です。
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滑走面の中央から光がもれている フラットな板

コンケーブ(滑走面がエッジより低い形状)やコンベックス(滑走面がエッジより高い形状)の板にストラクチャーを加工しても万遍なく 溝を入れることができません。また、フラットでない板にストラクチャー加工すると、ケバ立ちがひどく目立つ ことになります。
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コンケーブのままストラクチャーを入れるとケバ立ちが目立つ

●次に皆さんの板には、ストラクチャーが万遍なくはいっているでしょうか。ショップなどで仕上がった板はワックスが塗られていますが、このワックスは滑走面のケバ立ちを抑える効果があります。悪い言い方をすれば「ごまかせて」しまえるのです。ですから滑走面に刻まれた溝もうまく確認することができません。
ワックスを剥がし、一日滑走したら滑走面を明かりにかざして溝が万遍なく刻まれているか確認することをお勧めします。

フラットになった板全体に溝を入れることでストーンフィニッシュの工程が終了します。

ストーンフィニッシュとは、
ストーンフィニッシュ(ストラクチャー)とは、滑走面に付ける微細な溝のことで
滑走面の摩擦抵抗を減らし、水はけを良くする加工のことです。
ワックスとの相乗効果で高い滑走性を発揮します。
ストーンフィニッシュした板は、次のような効果があります。
  • 水はけが良い
  • 酸化防止
  • ワックスの浸透性が良い
  • 日本のように湿気の多い雪に水分を逃がす役目をする
同じように(写真上)ストラクチャーが入ってるように見えても、入れ方によって滑走面の抵抗は大きく違います。単純に機械に通すだけではなく、摩擦抵抗が少ない滑走面に仕上げることが重要です。右側が当店のストラクチャーです。
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けば立ちの少ない、光沢のある滑走面。


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